研究

やらないなら評論家になればいい

研究テーマの枯渇が叫ばれる昨今、新規なもの(疾患、標的)に手を出すべきか否かという議論が職場では非常に盛んです。テーマの立ち上げ、あるいは新規な展開を考えるときに、議論が盛り上がるのは健全な職場である証拠と思います。ポジティブな意見もネガ…

就職相談に思う

就職活動の季節なので、ときどき相談が寄せられるんです。研究職(生物系)の就職活動で気をつけるべきことはなんですか?みたいなことです。まだ経験が浅いせいか、特別留意すべきことがよくわからず、うまいコメントが思いつきません。 というのも、生物研…

山は動くものではなく動かすもの

「大手でもダメだったんだから、ウチでは無理」これ、企業の研究ではよくある話だと思うのです。他社における失敗の要因はいろいろあると思うのですが、時に「まだいけるだろ、ウチでやる余地あるだろ」ってテーマがトップダウン的判断で潰れます。そんなの…

私的理想:企業研究者編

前回の続き。ではどんな研究者を理想とするのかぼんやり考えた。たぶん、端的には 「適切な判断を経営に下してもらえる研究者」 だと考えている。うまくいくか、うまくいくかわからないのが研究というのは、大学も企業もかわらないところ。一方、大学と企業…

乾いたスポンジを絞るように

今日は一段と冷え込んだ、関東一円は一桁台の気温!風邪にインフルに、気をつけねば! さて、まだ少し先の話だけれど、刻一刻と職場でのゼミ当番が近づいている。企業における研究者にとってのゼミは、大学院でのゼミと、似てるっちゃ似てるし、違うとこは違…

一日一○

帰宅してから一日一報、これがコンスタントに継続できる量として妥協点かも>論文読み 年上研究員よりもぼくに優位性があると思ってるものリスト・時間(家族なし、管理するもの少なし) ・若さ(体力) ・からっぽの頭(つまっていない、空隙が多い)上記を…

苦しいときこそ勝負、ミスをしたらいけない理由のひとつ

新しい系を立ち上げられるかの検討をここ一週間行っている。諸問題あって、猶予期間はニ週間。考えられる限りの手段を尽くすにはあまりに短い。考えながら手を動かす、頭の回転の早さと、おそらく勘のよさも試される状況だ。(現状ではどっちもpoor)結論を…

「だれも知らない」と「だれも言わない」

仕事で、「わかっていない(とされている)こと」が課題となる場面はけっこう多い。企業でやってる仕事のなかでそれに遭遇する場合、その現象を解明する手がかりとなる論文や特許の情報は乏しい気がする。「だれも知らない」のかもしれないし、戦略として「…

秘密基地で未来をえがく

週に数回、他のヒトが誰も入ってくることのない部屋で実験をしている。秘密基地みたいな感じのところだ。チームリーダーと上司と、一緒に手を動かす数少ない機会である。(余談だけれど、チームリーダーが手を動かすってのは会社ではなかなかないことだ。)…

任せ上手はむずかしい

連休明けから早速会議で一日過ぎるのが非常に早い。あまり手を動すような仕事はできずにやや不完全燃焼。 最近は他部署と連絡を取りながら共同実験や依頼実験を行う機会が増えつつある。プロジェクトが進めば徐々に他部署との連携が密になってくる。技術的な…

想像力が足りない

夏のあたまくらいから着手していた新規のお仕事ですが、どうやら見込みがなさそうだ、というデータが蓄積しつつあります。こういう場合、どこまでやってカタをつけるか、という問題になるんですが、きっちりこういう理由でダメだという決着をつけたくて、そ…

価値ある質問力をつけたい

月末が終わりました。徐々に書類が多くなってきているのを感じます。もっとさくっと終わらせたいけれど、なかなか難しい。書き物のスループットもあげていかないと。 さて、今週も会議が目白押しでした。会議というと一般に決め事をしていくだけ(外資系っぽ…

考える時間をどう創るか

ここ最近消化した予定表(24時間をタスクレベルで色分けした程度のもの)を振り返って気づいたことがあります。それは、一日の就業時間に占める実験の割合(=手を動かす割合)が、学生時代と比較して圧倒的に増えたということです。 あたりまえじゃんと言わ…

1970 年代からの手紙

研究に関わる文献は常に最新のものばかりというわけでなく、温故知新的な古い文献を読むこともあります。(バックグラウンド弱すぎという指摘も、正しいと思います)今日読んだのはなんと 1 9 7 0 年代の論文。当時ぼくはマイナス 中学生。核相 n としてすら…

最先端研究開発支援プログラム:採択結果

最先端研究開発支援プログラムの採択結果が報告されました。 最先端研究開発支援プログラムってなに??? 新たな知を創造する基礎研究から出口を見据えた研究開発まで、さまざまな分野及びステージを対象とした、3〜5年で世界のトップを目指した先端的研…

総選挙-科学政策に関する話題

いよいよ来週日曜は総選挙ですね。考えるべきネタはたくさんありすぎて困るくらい・・・。 id:scicom さんの科学政策ニュースクリップにおいて NPO法人サイエンス・コミュニケーションでは、ブロガーsivad氏や有志のみなさんとともに、以下の公開質問状を作…

生物系の学部・学科を目指している人へ 

「バイオ批判」 まとめ 生物系の学部・学科を目指している人へ http://anond.hatelabo.jp/20090820154255面白く読みました。 あたっているようなところもあたってないところも、あるように感じました。 入院生活と揶揄される大学院生活、そして今春からの社…

お盆明け、新型インフルエンザ流行、ワクチン、治療薬のゆくえは

お盆があけ日常が戻ってきました。早く手を動かしたかったのでスンナリと仕事に戻ることができました。年末までに大きな区切りを迎えるのでしっかりペース配分をしてやっていきたいです。 新型インフルエンザで遂に死者が出ました。甲子園でもプロ野球でも感…

体内時計が食事によって進む?!

毎日新聞より。7 月 25 日付の記事。 体内時計:炭水化物減らすと4〜8時間進む マウスに、炭水化物を極端に減らし脂肪分を増やした餌を食べさせると、体内時計が4〜8時間程度進むことを産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の大石勝隆・生物時計研究グ…

企業における博士輩出について

学生さんは夏休みですね。新社会人の夏休みですが、最近の 3 年で一番長い休みを頂けそうです(笑)まとまった時間でしっかり息抜きしてこようと思います。 企業で博士をとる機会について 先日同業・類業に就いている友人とお話したときに、企業が博士をとら…

展開

そういえば仕事ネタといえば、身辺での出来事やら反省日記しか書いていないけれど、そんな中でもやはり世界は未来に向かっていて、competitor が一歩前進したり、逆に discontinue になってたりする。そこには真実と駆け引きがある、そしてその展開はメチャ…

肩身狭い?残業問題

まだまだ生産性の高くない最近ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか。 さて大した社会(会社?)貢献もないままに、なぞのボーナスもいただいて、まもなく夏真っ盛り。結局、今年は梅雨ってどこにいったの?というほど雨が降りませんでした。世間は徐々…

無知の知、大学が自由な研究をできる場になれば。

先日と同じく、大学院と企業の違いについて感じたことを書き留め、続いて博士課程進学に迷っている後輩との会話から考えたことを綴っておく。 事業会社の研究開発部門は、商品を世に出すことを目的とした研究を行う。したがって、その商品の市場、および使わ…

見極め

やっぱり仕事場のヒトはすごい。アツい。 ・・・このままではいけない。今のやり方ではいけない。もっとしっかりしないと。杭を出していける自分にならねば。でもモチベートされる環境には恵まれてます。 ・・・これからいろんなものが見えてきそうです。い…

企業と大学院の違いについて感じたこと

もうすぐ梅雨入りですね。サッカー日本はカタールに敗れてしまいました、残念・・・。さて本配属になってから暫く経ちまして、仕事の負荷も徐々に高まりつつあります。いろいろなトレーニングやルーティンを回す(まだ遅いけど・・・)なかで、色々と思うと…

新規テーマの立ち上げ

にかかわれることになり、脳みそがフル回転。デキるビジネスマンってのは、突然海外に飛ばされて、「現地法人を立ち上げて 5 年以内に黒字化しろ!」みたいなミッションをクリアーできる人材のことを言うらしい。それは研究でも同じことなんだと思う。そんな…

そのデータは正しいか?

ルーティンワークをきちんとこなせることは、大学でも企業でも重要なことです。例えば、カタい系が確立されていれば、先のデータと同じ条件で追実験を行い、再現性が得られるかどうか?ということです。先週から今週にかけて、そんな追実験をやっており、無…

ビビりすぎ

職場環境にビビり過ぎてる気がします。ちょっとしたことで、ミスしちゃいけないという妙な脅迫感に苛まれます:笑 職場の上司・先輩がそんな雰囲気というわけでは決してないのです。ただ、そのフツー感が逆に不安を強めているのだと考えます。明日の仕事がな…

ハイレベル環境

現場のレベル(研究の)がすごい。当然ながら、このままではついていけない。←わかっていたけれどね。まずは、ついていけるようになりたい。仕事を確実にこなせるようになりたい。学生時代のように、教授、准教授に何でも発言していくのは難しいかもしれない…

人から聞いたことシリーズ2-日本と海外の大学・研究に関する差などもろもろ-

海外の大学で教鞭をとっておられる先生や留学生、外国人講師の方などから伺った話をまとめていく。 ☆COE -centre of excellence- について、日本と海外の比較 ・採択状況 日本・・・大学 (研究室) 単位で採択 海外・・・複数大学間に跨って採択、大学単位で…