私的理想:企業研究者編

前回の続き。ではどんな研究者を理想とするのかぼんやり考えた。

たぶん、端的には
「適切な判断を経営に下してもらえる研究者」
だと考えている。

うまくいくか、うまくいくかわからないのが研究というのは、大学も企業もかわらないところ。一方、大学と企業の違いのひとつは、意思決定に関わる人間の数の多さだと思う。研究面での成果がよくても、その他の要因で企業の研究は簡単に潰れる。よくない成果であれば、勿論潰れる。サイエンス面の評価も、マーケット面の評価も、会社の方向性も、全部あってはじめてお金を出してもらえる。なので、研究者の仕事は、サイエンスの面で、テーマを客観的に判断してもらえる材料を揃えることと考えている。

結論を出せる研究者、というシンプルな姿。書くのは簡単だけど、どこまで材料を揃えるのか、限られた時間に甘えていないか。キラー試験をやるのは大事だけど、判断したという事実を残すために殺しちゃいないか。その辺のバランス感覚の優れた研究者が理想かなぁと思う。