ある助教の卒業

以前、こんなエントリ d:id:sheepwolfskin:20090129:1233235111 を挙げました。先日うちの大学でも盛大に合格発表してましたが、大学院進学をご希望の方はよーく考えられることをおすすめしたく思います。大学院生数を減らす方向ってのは、もうほぼ間違いないです。
ところで、大学院生のみならず、研究室のスタッフにも削減の圧力がかかっているいたいです。今日は、まぁ、そんな現場に出くわしました。アカデミアの世界、というか人間関係は、狭いですね。何がしかの業界に入るってことは、そういうことなのかもしれませんが。でもこの助教の方(以下、彼とします。)、いずれはそうなる運命なのだろうか、と学部生時分の僕が見ても分かるほどでしたから、今となっては、ああ、やはりなと思わざるを得ません。

まだ研究の世界にちょこっと入っただけの 3 年目の僕がいうのもおこがましいのですが、研究なんて、うまくいくかいかないかわからないものだと思います。勿論、仮説の設定や実験の設計に試行錯誤はあるものの、実際問題、筋書きは基本的にないものと思っています。彼のケースはたまたま研究対象や業績が芳しくなかったのか、上層部とうまくいかなかったのか、それとも若手ポスドクが優秀すぎて上層部はこっちを引き上げたかったのか。あるいはその全てなのか。実力も勿論、ある程度政治ができなきゃ、万が一ポストを奪われる場合も次の職につけなくなってしまったりする(政治的な意味で)。

能力の差はきっとどの世界にも厳然として存在しており、序列がつくのはしょうがないんですが、30 代半ばとか、それ以上の年齢でアカデミアからドロップアウトする場合、人材流動性も相当に低いでしょうし、セーフティネットも何もなく、文字通り生きていけなくなってしまうな、とおもいました。このようなケースは何もアカデミアに限ったことではなく、民間に行っても公務員になっても同じだとは思いますが。なにより、最も衝撃的だったのは、この一連の手続きが学生に丸見えの空間で行われていたことでした。こういう現実を学生に突きつけることも、教育機関としての大学の努めなのかもしれませんね。彼にとってはたまったもんじゃないでしょうが。




さて、がんばってやろうか:涙