芸術の秋深まる
日本の四季から秋が外れて久しい日本列島だが、暦の上では依然として秋は存在しており、この時期になると全国各地で文化的なイベントが多数催される。そんな世間の雰囲気に乗って、美術館に行ってみた。
東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/
ここを選んだのは、勤務中流れるラヂオから、井上雄彦(スラムダンクやバガボンドの作者)の巨大水墨画(3 m!!)展示が行われてる、という情報が耳に入ったのがきっかけ。しかも無料というではないか。スラムダンク世代としては、行くっきゃない。
美術品を鑑賞するには、作者の生い立ちやその作品が生まれた背景、例えば歴史なんかを知っておかないとほんとの味はわかんないよ、って人のいうもんだから、教養のないぼくは美術に縁がなかった。知識に感性を強制される、ということに小さい頃から抵抗があったのかもしれない。そんなわけで、まともな美術館は小学生以来という残念な有様:涙
閑話休題。事前情報は井上雄彦だけだったけど、折角なので「レベッカ・ホルン展」「ラグジュアリー・ファッション」「常設展」の全部を観ていくことにした。
とくに素晴らしい、と思ったのはレベッカ・ホルン展。
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/107/
自分が知っている狭い範囲の芸術品、形あるものは皆静的状態のものが殆ど、という印象だったんだけど、ここで展示されていたのは、動的な作品。機械や電気、光に音を使った表現は非常にインパクトのあるものが多かった。会場全体を作品として捉えている、そんな印象を受けた。最も強いインパクトを受けたのは
アナーキーのためのコンサート
学芸員?さんに「これって動きますか?」と聞くと、きっといいことがあるのでおすすめ。映像作品もあり、これは展示作品の解説に近いものになっていた。そんなわけでレベッカ・ホルン展だけで 3-4 時間は楽しめる内容だった。
常設展コーナー(の最初にあるやつ)を観たときにも思ったこととして、現代美術ってのは、動的状態、空間表現がキーワードなのかなと感じた。作品が同じ状態を維持せず、絶えず変容する。加えて、モノだけが作品なんじゃなくて、それを観てる人もひっくるめてひとつの作品と捉える空間表現(これが常設にあったやつに該当する。名前忘れた)。そんな印象を受けた。モノの見方について、非常に考えさせられた。
・・・というわけで当初の目的だった水墨画はかすんでしまったわけだけれど、東京都現代美術館、展示も美術図書も非常に充実していた。連休のリフレッシュに、足を運んでみてはいかがでしょうか。