オバマ大統領の大きな政府に感じる不安

今日は朝から、研究にお金を出していただいている企業の方と具体的なお話をしました。来年以降もなかなか魅力的な体制で研究できそうです。後輩には是非、がんばってほしいと思います。


しかし報告書以外で企業とコンタクトをとるのは初めてだったので、このたびは非常に勉強になりました。彼らは一言で言えば、やりとりに無駄がない、ということに尽きます。必要な情報は全て整然と頭の引き出しに整理されていて、その使い方にも「なるほど」と思わされました。僕自身、研究成果とその周辺情報に関してはある程度完備した状態で望んだつもりでしたが、研究の先にあるもっと広い視点、例えば実社会ではどう使えるか、具体的なビジョンがまだまだ足りないことを痛感させられました。

また、別の視点から、「カドを立てない断り方」を垣間見ることができました。利害関係の調整というか、デリケートな問題に即時対応(しかも僕にはベスト解としか思えないような)できる能力の凄さを感じました。大学の研究室にこもっていては身に付かないような気がします。

こういった能力をもつヒト・・・限られた時間で、誰よりも早く、一番いいものを確実に。そしてその対価に給与もらってる。そんな世界で活躍している事業会社のヒトらしいなという印象でした。こういうのを生産性が高いとか捌けるとかいうのかな。来春から社会人になるわけですが、色々とモチベートされました。


さて、お昼、食堂のテレビで「公的支援対象企業の幹部報酬を制限 米大統領が発表」のニュースを見ました。CNN より抜粋

オバマ米大統領は4日、新たに連邦政府の支援を受ける企業の経営幹部について、年俸の上限を50万ドル(約4500万円)に抑える措置を発表した。

大統領は、金融大手の幹部に昨年180億ドル(約1兆6000万円)ものボーナスが支払われたのは「恥ずべきこと」であり、今回の危機を招いた経営のつけや結果を軽視するものだと述べ、他のあらゆる事柄を食い物にして狭い範囲の自己利害や目先の利益しか省みていない体質だと非難した。大統領はさらに、経済危機の最中のこうした厚遇を「容認しない」と明言し、公的資金と引き換えに企業経営幹部の自制を求めていく姿勢を強調した。

金融はボーナス凄いんですね、桁違い。研究とは違った意味で浮世離れしてるように感じます。このように政府が大手金融の経営者に大鉈を振るう、その道理は理解できます。お「金」をあるところからないところに「融」通する、という本分を疎かにした金融業経営者は、責任とならくていいの?と思うのは当然の心理だと思います。一方で、大きな政府が進みすぎることにも一抹の不安を感じます。

確かに、オバマ大統領の就任演説は大変 impressive で力あふれるものでした。日本ではありえないことだと思います。が。その内容からは、もし経済の建て直しがうまくいかなかったら、国家のために戦争も辞さないのではないか?という感想を持ってしまいました。政治に関してアメリカ国民はかなりの一体感を持っているようです。それは圧倒的支持率にも反映されています。グリーンディールがうまく奏功しなければ・・・そっちに暴走する、なんてことはないのかと。杞憂に終わってほしいのですが、あまりに一体感がありすぎて、なんか心配です。